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愛知県常滑市 やきもの散歩道② 景色に溶け込んだやきもの達 

愛知県常滑市 やきもの散歩道②

やきもの散歩道には様々な焼き物が壁や床に埋められていますよね。

これらは廃品を利用したものなのですが、今回は散歩道をより深く感じてもらうためにこれらのやきものについて、昔どんな役割をしていたのか簡単に書きたいと思います。

 

土管坂

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土管は排水管として全国で使われておりました、全国のシェア4割は常滑が担っていたそうです、右の焼酎瓶も常滑で大量に生産していました。どちらも液体を入れるためのものですが、常滑の焼き物は焼いた後に陶器自体のしまりがよく、特に液体を入れるのに適した土だったようで、大昔は貯蔵用の甕が大量生産され、急須なども非常に有名です。

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戦争時に多く作られたもの

左がロケット戦闘機の燃料を流す際に使われたパイプ、右は燃料を保管した四角い陶器これらは太平洋戦争時に大量に生産されました。ロケット戦闘機は実用化される前に戦争が終結してしまったため、これらの製品は常滑にそのまま残ったと考えられています。

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戦争の爪痕として特に代表的なものがこちらのロ号大甕です。ロケット戦闘機 秋水の燃料である過酸化水素水を大量に保管するために必要だったそうで、当時このような大きな甕を作れるのがここの伊奈製陶(INAX)しかなく大量に生産がされていたそうです、しかし実際はロケット戦闘機が戦争に使われる事はなく、この大きな甕も常滑にそのまま残りました。この大きな甕は常滑のいたるところに見られます。

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あと珍しいもので言えば 電纜管(でんらんかん)地中にケーブルを通すための管。

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新旧 土管

左が土管製造機で大量に作られた土管で、寸法公差も少なく非常に形が整っていますよね。一方、右が木型で1個1個作られた土管です。当時は規格もないので形はバラバラでした。土管の製造は2000年くらいまでは生産されていたそうですが現在は常滑で土管を生産している会社はありません、大量生産時は当時のお金で1本1000円ほどだそうです。

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しき輪

やきものを釜で焼く際に床にくっつかない用にしき輪を敷いて焼いたそうです、またこれは熱膨張の違いにによる割れの減少も防ぐことができました。当然1回きりしか使えないので廃品として多く出ることになり、常滑の壁や床に沢山みられます。

 

まとめ

以上、簡単ではありますがやきもの散歩道でみられるやきものについて書いてみました。前々から気になっていたので個人的にわかってうれしかったです。ちょうど地元の人から聞く機会があったこともあり書くことができました。みなさんもぜひ訪れた際には昔の役割を想像しながら歩いてみてはいかがでしょうか。